櫂トシキ [編集]
櫂トシキ(かい としき)は「カードファイト!!ヴァンガード」の登場人物で、本作のもう一人の主人公とも言える人物。アニメでの声優は佐藤拓也。
名前の由来は、原作者・伊藤彰先生の友人のフルネームと「船頭(せんどう)」が持つ舟の「櫂」。
概要 [編集]
後江(ひつえ)高校に通う高校1年生(本編開始時時点)。圧倒的な実力の持ち主だが、ヴァンガードの大会には一切出場していなかった。
他人を寄せ付けない冷淡な性格で、「チームQ4」結成以後も長きにわたって周囲から距離を置いていた。 三和タイシの知る小学校時代の彼は明るい人間だったが、両親の事故死とその後の出来事が現在の性格を形作る原因になった。
口下手で基本的に自己中心的な性格のため友人の三和がついていないと決まって他人とトラブルになる事が多く、当初はファイトで勝つことだけがすべてだったため、先の性格も相俟って事件を起こすこともあった。
物語開始の数年前に伊吹コウジから教わり三和タイシと共にヴァンガードを始めて、先導アイチに《ブラスター・ブレード》を渡しヴァンガードの世界に導いた先導者。
その後すぐに引越し新たな学校で雀ヶ森レンや新城テツと出会い、チーム「フー・ファイター」を結成。
だが雀ヶ森レンが「PSYクオリア」を手に入れて変貌したことにより二人と袂を分かって元の町に戻り、一人暮らしを始めた。
その後先導アイチと再会し、物語が始まることになる。
普段は口数が少ないが、ファイトにおいては饒舌になることが多く、宣言時に「ザ」を挟む特徴的な台詞回しを多用する(レンや伊吹、シオンなど関係の深い面々も影響される形で使用している)。
このうちライドする際の「ライド・ザ・ヴァンガード!」というセリフはリズミカルさもあってか、2018年版のアイキャッチや公式イベントでも使用され定着している。
その圧倒的な強さと存在感は間違いなく登場人物にも視聴者にも大きな影響を与えていると言えるが、それがためにアニメ初期や「アジアサーキット編」、漫画版と連続して最後の敵に挑んで敗北する「かませ犬」的な役割にもなってしまっている。
みにヴぁんでは、漫画版寄りな性格で、アイチやカムイとも普通に喋っている。比較的まともなツッコミ要員だが、お茶目な面も強く(特に猫関連)、ネタキャラ的な扱いを受ける事が多い。
経歴 [編集]
「アジアサーキット編」ではかげろうの封印による影響からなるかみを使用している。アイチによって以前使っていたクランが消失していることを知らされ、この謎を解くためチームQ4を離れ(というよりもこの時点ではQ4は解散しており、サーキット参加のために再結成されたことを知らされていなかった)海外を転戦。その後、チームNAL4のメンバーとしてアジアサーキットに参加し、ソウルステージを勝ち抜いた。
蒼龍レオンとの戦いではアクアフォース復活の為にロイヤルパラディン、シャドウパラディン、かげろうの三クランを生け贄にしたことを怒っており、先導アイチを見守ることしかできなかった事を詫びる描写もあった。
「リンクジョーカー編」では、後江高校カードファイト部の副部長となり森川カツミにデッキを託したり、打倒先導アイチを掲げる井崎ユウタを鍛える等、人間として大幅に成長したものの、先導アイチと雀ヶ森レンのファイトを観戦するうちに劣等感を覚え始める。
そして、V甲子園においてレンがアイチに告げた「僕の本気を引き出してくれるのは君だけ」という発言を聞いて、自分の力量がかつて肩を並べたレン、自身が導いたアイチに追い越されていることを自覚。そこから強さへの渇望に取りつかれた末、虚無の化身となった立凪タクトに敗れると同時に、誘惑に敗れて「己の力で戦う」信念をも捨ててしまい、地球のファイターの“Я”化を先導するファーストリバースファイターとなってしまった。
世界中を回って強いファイターを探し、各国のファイターを片っ端からЯさせ、その力で最大のライバルであるアイチとレンに勝利し、タクトにすら勝負を挑もうとするが、最終的には再起しタクトをも打ち倒したアイチと再戦。
実はそのファイトを最後にヴァンガードを捨てるつもりでいたが、アイチの説得により思い直した。
アニメ「レギオンメイト編」では、アイチの存在とその痕跡が突如消滅した中でただ一人アイチのことを完全に覚えており[1]、事実上の主人公となっている。それに際し、これまでのシリーズとは異なった感情や仲間思いな面を素直に表に出すようになっており、「リンクジョーカー編」での出来事を経て人間的に成長した様子が窺える。
降ってきたロイヤルパラディンのデッキを唯一の手掛かりとして、石田ナオキや戸倉ミサキ、三和タイシの記憶を取り戻させ、アイチを救う為に情報を探る過程で、カトルナイツのオリビエ・ガイヤールと出会うが、敗北する。その後はプリズンによる危険なファイトに仲間を巻き込まない様に一人で戦おうとするが、葛木カムイの説得を受けて思い直す。
レンが何かを隠していることを知り、ファイトで勝利する事で手掛かりを手に入れたが、ゲートから表れたリンクジョーカーを手にした立凪コーリンを説得しようとしたが跳ね退けられて敗北し、ゲートを閉ざされた上、《ブラスター・ブレード・探索者》を持ち去られ、再び手掛かりを失ってしまう。
蒼龍島にて特訓を行うが、既にロイヤルパラディンでの戦績が振るわなくなっており、スランプ状態に陥っていた。三和タイシの後押しで「本当の自分」で戦うとして再びかげろうのデッキを使用することになる。
ラウル・セラの策略で聖域に招かれ、オリビエ・ガイヤールに勝利して第2の封印を解いたが、セラの反逆によりカトルナイツと一時休戦してアイチの封印の真実を知る。
Яファイターとなった櫂は世界中を転戦してファイターをリバースし続けていたが、カトルナイツの面々はそれによってЯしたファイターたちに襲撃された被害者であり、特にガイヤールは拠点にしている孤児院の子供たちと戦わざるを得なくなり、また無事だった子供もトラウマを植え付けられるという悲惨な体験をしたことから、一連の事態を招いた櫂への憎悪と、そこから救ってくれたアイチへの傾倒が強かった。
この事実を知り、アイチが封印されることを選んだ責任は自分にあるとして、自分が彼の身代わりになろうとしたが、アイチとのファイト中に《星輝兵 ブラスター・ジョーカー》の心の声を聞き、《ブラスター・ブレード・探索者》の剣はあらゆる物を切り裂くことから「シード」の分割を思いつき、アイチを救った。
最終話ではガイヤールと共にユーロリーグに挑戦することを明言している。
劇場版「ネオンメサイア」では「チームQ4」のメンバーと共に行動。葛木カムイや先導アイチと共に伊吹コウジに挑む。
アニメ「カードファイト!! ヴァンガードG」ではユーロリーグにてオリビエ・ガイヤールやフィリップ・ネーヴと共にトップファイターとして活躍している。
序盤では、SNSにて登場する脇役として出演。ギアクロニクルについては彼もその存在を知らなかった模様である。
「ギアースクライシス編」では伊吹コウジの「Plan-G」の召集に応じて日本に帰国。ドラゴンエンパイア支部のゲストとして三和タイシ、石田ナオキ、小茂井シンゴと共に参加している。その際、同じ【かげろう】使いである安城マモルともファイトしている。
また、絶望の淵に置かれた綺場シオンを希望へ導くきっかけにもなった。
無愛想な性格は変わらないが、ファイトを通してシオンを鼓舞したり、大人気ない伊吹に突っ込みを入れたりする等、これまでにはなかった世話焼きの面も見られるようになる。
アルティメットステージでは、シオンの捨て身の戦法に敗れ、彼の功績を讃えた。
「カードファイト!! ヴァンガードG NEXT」では、伊吹コウジに協力している。
《星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン》にディフライドされた星崎ノアを追い、ノアのチームメイトである西沢アラタ、浅田マコトと共に海外に渡った。
「カードファイト!! ヴァンガードG Z」ではアイチと共に変則タッグファイトにてカオスブレイカー(ディフライダー)を倒すが、勝利後、カオスブレイカーが自らを生贄にレリクスを再度出現させ、それに伴ってギーゼ(ディフライダー)が完全な覚醒を果たす。
その後はギーゼが出現させた虚無の軍勢と戦った。
漫画/2018年版アニメでも三和タイシや伊吹コウジと幼少期からの友人であったが、両親が一族で経営している会社のお金を横領して夜逃げしたため、親戚の家をたらい回しにされ、転校を余儀なくされた過去を持つ。この際、親戚に厄介者扱いされたことが彼の心を荒ませる原因となった。
転校先に近い新城テツの父が経営するカードショップで雀ヶ森レンと出会うが、旧アニメ版と違い友人というわけではなかった。
アイチと再会してからは少しずつ純粋な心を取り戻し始め、フー・ファイターを倒して雀ヶ森レンとファイトするが、敗北し、アイチとレンのファイトを見守った。
その後はアイチとの本気のファイト中にPSYクオリアが発現し、《超越龍 ドラゴニック・ヌーベルバーグ》の能力でヒールトリガーを無効化して勝利した。
第二部(高校生編)では、しばらく目立った活躍をしていなかったが(2018年版アニメではPSYクオリアゾンビになった葛木カムイに勝利する)、伊吹コウジと再会し、ファイトに敗れたことでユニット達との絆を絶ち切られてしまった。それでも彼は伊吹に「きっとまたヴァンガードを再開する」と宣言し、ファイターでなくても友達である事に変わりはないとして伊吹を許した。
「続・高校生編」ではデリートされた後、イメージする力を失ったことで森川カツミにまさかの敗北を喫する。その後の第6話でも《ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド》(フォース)を預けた安城マモルに連敗を続けていたが、試行錯誤の中でどうにか「勝利のイメージ」を取り戻し、クリティカル4のアタックを3回繰り返し、勝利する。
「イフ-if-」では、歴史改変の結果生じた可能性として「両親が健在の櫂」が登場。小学生時代そのままの明朗な性格であり、正史とは別人と化していたが、エミ達との交流や説得、ジャマーの襲撃などを経てファイターとしての記憶を取り戻し、この事態を招いたアイチを止めるため行動を共にすることになる。
人間関係 [編集]
- 三和タイシ
- 幼い頃からの親友。口では邪険に扱う事もあるが、なんだかんだ連んでいる。
- 「レギオンメイト編」では、共に戦う仲間「メイト」となる。
- 伊吹コウジ
- 櫂にとっての先導者。小学生時代、彼の誘いで「ヴァンガード」と出会う。
- 「ネオンメサイア」では敵対するも、その後は友人関係に戻った。
- 「ギアースクライシス編」、「ストライドゲート編」では、彼に協力している。
- 雀ヶ森レン
- 中学生の時、彼と交流を深め、チーム「フー・ファイター」を結成するが、レンがPSYクオリアに目覚めて人格が豹変したことから決別した。
- 「アジアサーキット編」以降は関係が改善されており、チームに誘われている。
- 新城テツ
- 中学生時代のチーム「フー・ファイター」の一員。レンと決別したとき、彼とも袂を分かった。
- 「アジアサーキット編」以降では、友人関係となっている。
- 先導アイチ
- いじめられっ子だった彼に《ブラスター・ブレード》を与え、励ましたことで彼の先導者となった。
- 「レギオンメイト編」では、行方不明となった彼を探す事になる。
- お互いを目標とし、自分にとって唯一の親友だと言っている。「レギオンメイト編」では、独白で「お前のいないヴァンガード人生など考えられない」と強く自答していることからもアイチに対して特別な感情を抱いているのがわかる。
- 実は問題や課題を一人で背負い込むという共通点がある。
- 戸倉ミサキ
- チームメイト。仲が良いとは言えないが、互いに実力は認めている。
- 「レギオンメイト編」では、共に戦う仲間「メイト」となる。
- 葛木カムイ
- チームメイト。なにかと突っかかられるが、その都度軽くいなしている。
- 「レギオンメイト編」では、共に戦う仲間「メイト」となる。
- 六月ジュン
- 裏ファイト界の「キング」。互いに実力を認め合う友人となる。
- 井崎ユウタ
- 後江高校ヴァンガード部員。「強くなりたい」という彼の気持ちに応え、コーチした。
- 石田ナオキ
- 「レギオンメイト編」で、共に戦う仲間「メイト」となる。
- オリビエ・ガイヤール
- カトルナイツのリーダー。「レギオンメイト編」におけるライバルであり、「リンクジョーカー編」で櫂がもたらした惨禍に巻き込まれたことで強い憎しみを抱いていた。最終回後はユーロリーグに挑むチームメイトとなる。
- 綺場シオン
- 「ギアースクライシス編」にて、彼に試練を課し、成長を促した。
デッキ構成 [編集]
使用クランの変遷が激しく、特に「リンクジョーカー編」中で2度にわたって使用クランを変更、合計3つのクランを使用したというアニメ全体で見ても多岐にわたるデッキを用いたキャラクターになっている。
主な使用カード [編集]
戦績 [編集]
アニメ「カードファイト!!ヴァンガード 初期」 [編集]
アニメ「カードファイト!!ヴァンガード 初期」通算成績:12戦9勝2敗1中断
アニメ「アジアサーキット編」 [編集]
アニメ「アジアサーキット編」通算成績:5戦4勝1敗
アニメ「リンクジョーカー編」 [編集]
アニメ「リンクジョーカー編」通算成績:9戦7勝2敗
アニメ「レギオンメイト編」 [編集]
アニメ「レギオンメイト編」通算成績:11戦6勝4敗1中断
劇場版「ネオンメサイア」 [編集]
ネオンメサイア通算成績:2戦2勝0敗
アニメ「ギアースクライシス編」 [編集]
ギアースクライシス編通算成績:4戦3勝1敗。
話数 | 対戦相手 | 勝敗 | 備考 |
ドラゴンエンパイア支部 |
5話 | 安城マモル | 勝利 | |
コインランドリー |
6話 | 綺場シオン | 勝利 | 10回以上ファイト完勝 |
スターゲート支部Gクエスト |
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12話 | 綺場シオン | 勝利 | |
Gクエスト・アルティメットステージ |
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24話 | 綺場シオン | 敗北 | |
アニメ「カードファイト!!ヴァンガードG Z」 [編集]
アニメ「カードファイト!!ヴァンガードG Z」通算成績:1戦1勝
漫画版 [編集]
漫画版通算成績:10戦4勝4敗1不明1中断
話数 | 対戦相手 | 勝敗 | 備考 |
カードファイト!!ヴァンガード0 スタートセット |
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公園 |
#000 | 伊吹コウジ | 勝利 | 回想 |
1巻 |
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カードキャピタル |
#001 | 森川カツミ | 勝利 | |
#001 | 先導アイチ | 敗北 | |
2巻 |
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カードキャピタル |
#005 | 川並ミナミ | 中断 | 川並ミナミ逃亡 |
3巻 |
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フー・ファイタービル |
#014 | 鳴海アサカ | 勝利 | |
4巻 |
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フー・ファイタービル |
#015-#017 | 雀ヶ森レン | 敗北 | |
5巻 |
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カードキャピタル |
#021-#024 | 先導アイチ | 勝利 | PSYクオリアを発現 |
7巻 |
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カードキャピタル |
#035 | 先導アイチ | 不明 | |
10巻 |
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カードキャピタル |
#055-#058 | 伊吹コウジ | 敗北 | |
12巻 |
---|
ヴァンガード甲子園 準決勝 |
#075 | 先導アイチ | 敗北 | |
小説版 [編集]
小説版通算成績:3戦2勝0敗1不明
話数 | 対戦相手 | 勝敗 | 備考 |
アジアサーキット編 |
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| 相模ヒエリ | 勝利 | |
| 相模ヒエリ | 不明 | |
アジアサーキット編 戦え! 友情のタッグファイト |
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| 先導アイチ&汽水タカキ | 勝利 | タッグファイト(パートナー雀ヶ森レン) |
外伝「イフ-if-」 [編集]
話数 | 対戦相手 | 勝敗 | 備考 |
イフ25 | 先導エミ | 敗北 | 改変世界線 |
関連リンク [編集]
アニメ「カードファイト!! ヴァンガード レギオンメイト編」第164話「消えた先導者」。
アニメ「カードファイト!! ヴァンガード リンクジョーカー編」第154話「絆の先に」。