新聖紀 [編集]

概要 [編集]

ストーリーは、聖竜紀から続いており、古代遺跡の謎の門から突如現れたギアクロニクルと「時空混線」の影響で頻発化した時空超越、太古の大戦で封じられていた破壊神を巡る戦いなどの勢力争いに発展して行き、泥沼化する後半戦が因果応報と呼べる結末へと向かっていく。

  • ギーゼとの最終決戦以後、ここでクレイの背景ストーリーはDシリーズまでひとまず休止となるが、これは次シリーズがリブートという扱いになったことと、その先の物語が続くかどうかは未定で、あえて展開する予定がなかった為と思われる。

覇道黒竜の乱 [編集]

 新聖紀の始まりと共に、ダークゾーンから極大の運命力の輝きを放つこの世界線に訪れた「ギアクロニクル」が本格的な活動を開始。ネオンメサイアは新たな姿を差し向け、彼らを見守ることを選択した。

 地球/惑星E側で接続実験[1]が繰り返された影響によりクレイ側で時空超越が頻発。クロノジェットはユナイテッドサンクチュアリを皮切りに、各地にこの事態を制御する「時空超越(ストライド・ジェネレーション)」の理論と技術を提供、中でも《青天の騎士 アルトマイル》《ラナンキュラスの花乙女 アーシャ》は高い超越制御技術を備えた。

 その頃、ユナイテッドサンクチュアリでは、シャドウパラディンの分派を束ねる団長を名乗った《覇道竜 クラレットソード・ドラゴン》が「影竜の乱」と呼ばれる内乱を決行。ジェネシス内の危険因子《神界獣 フェンリル》エンジェルフェザーの「黒衣の葬天使(ブラック・グレイバー)」もクラレットソード側の戦力に加わり反乱軍は強大化。ついに「禁呪超越(オーバー・ストライド)」を編み出したクラレットソードは「分岐しえない未来」から《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》を産み出した。
 しかし、真の意味を理解していたアルトマイルとアーシャが、クロノジェットと共に立ち向かい反乱軍は鎮圧。《クロノドラゴン・ネクステージ》との決戦の最中に、オーラガイザーの力に魅せられて限界を迎えたクラレットソードは絶命し、内乱は遂に収束した。

ストライドゲート事変〜完全なる未来 [編集]

 「影竜の乱」収束後、新たなる姿となった創世神の加護のもとで、多くの国家クランが繁栄していたが、《時空竜 バインドタイム・ドラゴン》はかつて十二支刻獣によって潰された野望を今度こそ果たすべく、《機械仕掛けの神 デミウルゴス》復活のために世界を巡り協力者を募り始めた。

十数年前に時空の狭間へ封印されていた《クロノファング・タイガー》は地球の先導者との共鳴により生じた時空の穴を押し広げ「ストライドゲート」を開放することに成功。地球に転移した《クロノ・ドラン》含む十二支刻獣たちを捕らえ、バインドタイム・ドラゴンはあらゆる時空の支配者になること、クロノファングは「完全なる未来」の実現を望み暗躍した。

 それは、「重なり合う世界のうち片方を滅ぼし、運命力の全てをもう片方に送り込むことで、人々それぞれの理想を無限に叶え続ける」というものだったのだ。

 しかし、地球/惑星Eもクレイもそれを良しとせず、クロノジェットらの3人は野望を止めるべくバインドタイム・ドラゴン達の前に立ちはだかる。
 失われた伝説の聖剣の力を宿したアルトマイルフェンリルを倒し、アーシャ《仮面の奇術師 ハリー》《夜霧の吸血姫 ナイトローゼ》《シャルハロート・ヴァンピーア》と交戦(詳細は不明だが、この戦いによって彼らのそれぞれの運命が大きく変わったとされている)。クロノジェットはデミウルゴスとバインドタイムから自らの過去であるクロノ・ドランを救い出し、共に立ち向かい、彼らの野望を打ち破ることに成功。

 敗北したバインドタイムは竜の刻を失って制御不能となったデミウルゴスの暴走に巻き込まれて絶命し、無数に存在していた平行世界の可能性も次々と破壊され消滅。これによって「無限の未来」が勝利した…かに見えたが、「運命の門」がもたらすその先には最後の試練が残されていた。

第二次弐神戦争 [編集]

 ストライドゲート事変終結後、《竜刻魔剣士 ダグザ》を殺害された《覚醒を待つ竜 ルアード》が復讐のために行動を開始し、その過程でクロノジェットら3人と交流。
 同じ頃、メサイアはギアクロニクルと協力し、重なり合う世界を安定させるためにクレイのユニットを、地球/惑星Eの「先導者」との協力の上で体を借り受けて運命力の様子を調査をするという計画(所謂、ディフライド)を実行する。
 調査員として《竜胆の銃士 アンテロ》らの3人が送り込まれたが、その間に、弐神戦争以来潜伏を続けていたガスティール使徒たちがこれに便乗。

 虚無の要塞「レリクス」の《六道忍鬼 アタゴロード》によって移植された邪眼で強大な力を得た《忍竜 シラヌイ》は、ガスティールから「クレイの運命が惑星Eの影響で歪められている」と嘘を吹き込まれたことで操り人形と化し、ダグザを殺害。彼は課せられた任務をそのままにしてディフライドを実行したが、その矢先にアンテロがディフライダーごと事故で死亡する事態が発生。
 後にシラヌイはガスティールが語った内容が偽りであることに気づき使徒を離反。《崇高なる美貌 アマルーダ》と共に帰還し、使徒の動機についてメサイアに報告した。

 だがその頃、ガスティールの手引きにより先の大戦(第一次弐神戦争)の封印から解放された《蒼波元帥 ヴァレオス》率いる「旧世軍」がアクアフォースの特殊部隊「蒼波」を制圧し、同じく行方をくらましていた《百害女王 ダークフェイス・グレドーラ》も表舞台での本格的な活動再開に乗り出していた。
 既に地球に降りていたカオスブレイカーの命により、ガスティールを含む使徒3人と《威圧怪王 ダークフェイス・アルキデス》はディフライダーとして密かに地球/惑星Eへ降り立ち(この時、カオスブレイカーはレリクスに囚われていたクラレットソードもディフライドさせようとしたが、地球側の先導者の拒絶で失敗している)、同じく地球/惑星Eに居た《炎熱猟兵 ダムジッド》をそのまま使徒に引き込んだ。
 ガスティールは自分の魔術と、ダークフェイス・アルキデスの先導者の知識を借り、二つの世界のはざまたる虚無の要塞「レリクス」を完成させ、双方の世界から運命力を取り込む用意が完了した。これによって使徒の暗躍が一層深刻なものになって行く。
 一方、ダグザの敵としてぬばたまへの襲撃を繰り返していたルアードだったが、メサイア陣営からダグザの死に関する真実(=シラヌイが本当の犯人では無かったこと)を知らされてショックを受けた隙を突かれ、ガスティールにギーゼの器候補として拉致されレリクスへ囚われてしまった。

 同時期、メガコロニーや「蒼波(旧世軍)」、「星輝兵」など使徒の軍勢が一斉攻撃を開始し、「第二次弐神戦争」と呼ばれる総力戦が幕を開けた。シラヌイとアマルーダの警告を受けたメサイアの陣営たちも黙ってはいられず各地で戦線を支え、使徒の軍勢の奇襲を抑え込むことに成功するも、戦局はさらに悪化を辿る。
 その間に使徒たちは地球/惑星Eで最後の暗躍を開始し、ヴァレオスは第一次弐神戦争での敗因である聖剣フィデスを破壊。次に各地へ封じられていたゼロスドラゴンを解放したが、いずれも地球の先導者達に敗北して次々とクレイへ帰還する。しかし、解放されたゼロスドラゴンによる被害はクレイに限らず地球/惑星Eにも甚大なる打撃を与えてしまった。
 
 一方で、自身の娯楽のために動いていたカオスブレイカーは自ら創り出したクローンを起動させ、ディフライド中のガスティールから復元能力を奪取(この結果、ガスティールは一時行動不能の状態に陥る)し、アルトマイルやアーシャ、そして出奔を許可されたフェンリルを追い詰めた末に互いを重ね合わせて強化した姿へと進化。
 クローンに圧倒されるアルトマイル達であったが、そこで、いずれかの時空からブラスター・ブレードドラゴニック・オーバーロードがレリクスに出現。彼らはある者の手引きで仮初の肉体を得り、死闘の末にデリュージを倒す。
 しかし、同じくして地球/惑星Eで敗北したカオスブレイカーはとどめを刺される寸前でクローン共々自らを生贄としてその運命力をレリクスに注ぎ込み、ギーゼの完全復活を成し遂げた。

 遂に完全体として覚醒を果たしたギーゼは、レリクスの中核と融合、地球/惑星Eに「虚無の雨」と呼ばれる疑似ファイターをレリクスから降り注がせるのと同時に自らクレイに侵攻し、滅亡の野望に再び乗り出した。戦争は佳境を迎え、使徒であるガスティールやヴァレオスまでもが蘇り、世界は崩壊の危機に迫る。

 ガスティールの計画に加担してしまったシラヌイは国の目を盗んで部下が新調した装備に対し、自らの過ちを恥じて「慙愧」と名付けガスティールへの復讐を図る。その頃、地球/惑星Eで敗北後に強制送還されたダムジットが帰還。ここに来て自らの先導者との間に絆があったことを理解した彼は自分の未来を自らの手で作り出し、掴むことを決意。ギーゼやその使徒に反旗を翻し正道に立ち返った彼らはメサイア側の陣営に加わった。
 一方、女王と最強の戦士を欠いたメガコロニーは、ネオネクタールを中核とするズー連合軍を相手に手詰まりに陥り、壊滅の瀬戸際まで追い込まれていた。アルキデスに先んじて帰還したグレドーラは、戦況の推移からギーゼが遠からず敗北すると見越し、使徒の盟約を破棄して独断でメサイア陣営に和睦を申し入れ、戦線を離脱した。

 シラヌイはダムジットやアマルーダと共にヴォイド・レリクスへ乗り込み、死闘の末、超越共鳴で未知の邪眼を解き放ち復活したガスティールを討伐。さらにルアードを解放するべくギーゼに一太刀浴びせるが、反撃を受け撤退に追い込まれる。
 メサイア陣営とギーゼ陣営双方による戦いが泥沼化する中、メサイアはこの時点でギーゼに対抗不可能なほど力を失っており、もはや限界に達していた。

 しかし、この事態からすべてを終わらせたのはまたも3人の若者であった。
 アルトマイル。彼は最終決戦の前に自らの先導者との運命の導きで失われたはずの聖剣フィデスを蘇らせ、帰還後に敗走したヴァレオスを撃破し、そして世界各地の使徒の軍勢たちと戦ってきた。
 アーシャ。彼女は数々の戦闘で重傷を負いながらもアンテロの魂により「蒼きラナンキュラス」へと進化し、命を取り留めたのである。
 そして、クロノジェット。メサイアが十全の状態に無くなっている今、彼はギーゼに対抗できる可能性を持ち得る最後の作戦として新たなる力、その名も「Z器官」という「運命力」を原動力とした未知の力を受け継いでいたのだ。

 そして、ルアードもギーゼに心を完全にへし折られてはおらず、シラヌイによるギーゼへの捨て身攻撃の影響で解放された直後にダグザの魂と一瞬の再会を果たした彼は、ギーゼの呪縛を跳ね除けて超越共鳴を介して変身した姿へと覚醒し、ギーゼに対する反撃に加勢。

 アルトマイルは復活したヴァレオスとの一騎打ちに突入し苦戦を強いられるが、サヴァスメイルストロームの来援により再び立ち上がり、今度こそヴァレオスを倒す。さらに「Z器官」を宿したクロノジェットクロノ・ドラン《クロノバイザー・ヘリテージ》へ変身するのと同時に互いの「Z器官」を共鳴。ギーゼとの最後の戦いに臨んだ。
 使徒を失い、抵抗するルアードに追い詰められたギーゼは全力でクロノバイザーの抹殺を図るが、強大な攻撃をクロノバイザーに難なく避けられてしまい肉薄を許す。クロノ・ドランら若き戦士を守るため、クロノジェットはクロノバイザーの体を掌握すると共にクロノ・ドランを弾き出して単身で特攻。
 これに対し、ギーゼは最後の手段として自爆を試みるが、突撃したクロノバイザーの特攻を防ぎきれず大爆発の末に打ち倒され、今度こそ滅ぼされることになった。そして、クロノジェットも相打ちとなりクレイから消え去っていった。

 ギーゼが滅んだことでゼロスドラゴンも精霊に還元され消滅。力を使い果たした上、対存在を失ったメサイアはクレイズイデアに還元され神格としての役目を終えた。

 二つの異なる世界を巻き込んでしまった一大事件を重く見たクロノ・ドランは、先導者たる特異点の少年と対話し、同様の事態を再び齎さないために運命力の繋がりを閉ざすことを決意する。

 この対話の結果、双方の世界を繋ぐ架け橋も消滅した。世界はようやく神の手を離れ、人の手に委ねられたのである。

 …しかし、クレイにはまだ平穏が訪れることはなかった。この結末が後に有史以来の長きにわたる混沌の時代を迎えることとなる…。

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関連リンク [編集]


[1] 背景ストーリーでは、この事件がアニメ「カードファイト!! ヴァンガードG」のものとは明言されていない。