共心竜/Unison Dragon [編集]
共心竜
他者の心に寄り添い、その話し相手となる代わりに、相手の生命力の一部を分けてもらって生きる、共生生物。それが共心竜だ。
竜と呼ばれ、実際に身体は竜のものだが、その始まりは精霊だとされる。
この精霊起源のドラゴン「共心竜」は、惑星クレイの長い歴史においても極めて報告例が少ない種族である。 そして共心竜についてのエピソードはその性質から、単体で語られることは無い。
しかも、新聖紀にドラゴンエンパイア北極圏で発見された固体(いくつかの証言からその誕生は聖竜紀と推測される)と人間との関わりは、天輪聖紀の今、口に上らせるのもためらわれる程の悲劇と恐怖として語り継がれている。
共心竜アンドラは天輪聖紀になって誕生、発見されたドラゴンだ。
同じくドラゴンテール山脈の冒火風の里に生まれた人間、グライと共に育ち、互いに魂の絆を結ぶことになった。つまり現在、共心竜アンドラも青年グライとほぼ同じ年齢(孵化から考えるとアンドラの方が少し年下)ということになる。
共心竜のもう一つの特徴が「肉体は精神の表れに過ぎない」という事だ。この不可思議な特性は共心竜の研究を困難なものとしている理由でもある。
共心竜アンドラの場合、まるで人間グライの成長に合わせるように幼体を超えて、成体の竜となっている。
これは普通の竜が成体となるまでにかかる時間よりもはるかに短い時間であり、これは「グライに追いつきたい」という心の状態が竜アンドラの肉体を変えたものだと考えられる。
そして2人が互いに思い合う気持ちが力となり、炎の中から仁竜融騎グライアンドラとして顕現したのだ。
なお上記については、封焔の巫女バヴサーガラから情報提供されたものである。
不老不死のバヴサーガラは、その精神が記憶していたある事情から、共心竜アンドラ(と人間グライ)を注意深く見守ってきたのだという。私の庵を訪ねてきてくれた際には詳細までは教えてくれなかったが、どうやらそれはドラゴンエンパイア北極圏ツバレン島で古に起こった事件とその証人から、教訓と同じ悲劇を起こさないことをバヴサーガラが固く心に誓っているという事のようだ。
私、動物学者ザカットとしても、人と竜が一体化することで強い力を得ること、互いを思う気持ちがこの顕現を生み出すこと、また今後の共心竜と他種族との関わりについても非常に興味を引かれている。データの保守保全に努め、グライ、アンドラの成長を遠く、このレティア大渓谷から見詰め続けていきたいと思う。
動物学者/大渓谷の探究家C・K・ザカット 拝
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